存在感


例えば、こういうのはどうだろう?

ジシンマンマンノ、ソノウデカラニゲテヤルトカ。

でも逃がされない、逃げれない。


ソンナノ・・ワカッテルノニ。


「牛尾、動くんじゃねぇぞ」
その人は羊谷遊人。勝手気ままに振舞っている野球部の監督。
今もまた好き勝手を働くだけ働いて、煙草に火をつけていた。
「・・言われなくても・・動けません・・」
「そりゃあまぁ、そうか?」
今は朝の9時。昨日の夜から欲望のままに抱かれたおかげで、
気だるいのを通り越して動く気力すら沸かない。
「・・・はぁ・・」
まだ何か自分にする気だろうか、と思うと溜息も漏れる。


昨日は部活終了後、強引に羊谷の部屋に連れてこられてしまった。
いつもいつも、自分勝手。
人の都合なんかお構いなし。

そんな人に好きにされる自分。

「・・バカ・・・だな・・」
羊谷が自分を好いているわけもない。
抱きたい時だけ近寄ってくるのは最初から分かってた気がする。
でも、抱かれるたび嫌だと思ってるはずなのに
肌が離れていくと物寂しい。
「・・・好き・・?」
だったらどうだというんだろう?
羊谷に好いて欲しい?
・・・それも違うかもしれない。


「ぅ・・痛・・ッ」
身体の向きを変えようと少し横を向いた瞬間、腰に激痛が走った。
いつもなら鈍痛くらいで済むハズなのに、酷い。
「・・っは・・」
「何をさっきからブツブツ言ってるんだぁ?」
「・・なっ・・何でも・・な・・」
いつの間に煙草を吸い終わっていたのか、気付くと羊谷の顔がすぐ横にあった。
「そんな顔してるとまた襲うぞ?」
「・・・・や・・です」
ぴったりと羊谷が身体をくっつけてくると身体が震えた。
まだ身体の奥は痛いのにそんなことされたら堪らない。
「嫌だっつったのはこの口か?そう言ったら俺がしてくるの知ってんだろ?」
「違います」
「どうだかなぁ?」
「止めてください」
「止めねぇ」


この人の欲・・特に性欲というものは尽きないのだろうか?
そう思わずにはいられなかった。
結局必死の拒否も聞き入れず、肌を触れ合わせてきた。
何も着てない身体に遠慮などなく好き放題触りまくる。
「やっ・・止めてください!!」
「そんな反抗、今までしてきて無駄だって学習してないのか?」
「・・・しません。嫌です」
「さっきとは色々替えてみるか」
もはや言ってる事なんか聞いてない。
明日は学校だし、部活もある。
また好き放題されたりなんかしたら、まず間違いなく明日も動けなくなる。
制服は開襟シャツなのだから首に痕なんか残された日には学校すら行けない。
それは即ち、野球もできないということ・・。

無駄に考え終わって目を開くと手に紐と布を持って微笑む羊谷が目に入った。
「なっ・・!何を・・持ってるんですか!」
「紐と布、以外に何に見えんだよ」
「それ、さっさと放してください」
一応言ってみるもののかなりの確率で無駄だと思われた。
「何で放さなきゃいけねぇんだよ。これはこうやって使おうと・・」
物凄い力で身体を横に向けさせられると、両手を掴まれて身体の後ろできつく縛られた。
肌に紐が痛々しく食い込んでいる。
・・・というか痛い。
「・・・痛いです」
「ついでにこっちもな」
「・・は?」
今度は頭を持ち上げられて布で目隠しをされ、またベッドに投げ出される。
「や・・」
もう起き上がることもできない。
何が悲しくてこんな事を強要されているんだろう?
あれだけ嫌だといったのに。
「なんかお前、輪姦された後みたいだなぁ」
「・・・最低・・」
悔しい。
「そうやって無駄に強気なのもそそるな」
「・・・・」

羊谷の舌が顎に触れた。
無駄な事はせずに的確に、執拗に攻めてくる。
少し下がって首を舐めていた羊谷は首を吸い始めた。
「・・・っく・・首はヤメ・・学校・・いけな・・・な・・」
「知った事か・・関係ねぇよ」
制止空しく、思い切り首を吸われてしまった。
「あーあ、真っ赤に痕が付いちまったぜ?こりゃ開襟じゃ隠れないなー」
自分でやっといて何だそれは・・としか思えないが反抗どころか動く事もままならない。
そんな葛藤もお構いなしに、次々と吸い上げては痕を残している。
「やぁ・・あっ・・やめっ・・」
「ふん、もう持たなかったなぁ。クク」
羊谷の指はさっきの情事の名残のまま濡れている中へと進入する。
解れているのも手伝ってするりと飲み込んでいった。
「やあぁ・・ぁ」
目が見えないというのでこんなにも敏感になるとは思わなかった。
声を出してしまうのも嫌なのに手も動かせないのでされるがまま。
「牛尾、お前聞こえてるかぁ?こんなにくちゅくちゅいってんぞ」
「ああっ・・や・・も・・止めて・・」
「止めねぇ、っつってんだろ」
羊谷は指を増やし、一番ひどく反応するところを擦ってきた。
「・・か・・監督ぅ・・、や・・あぁ」
既に勃ちあがったそれからは蜜が滴っていた。
「俺のもシて貰おうか?ほらこっちこい」
「・・・ん・・ぁ・・」
腕を引っ張られ身体を起こされると、頭を掴まれたまま前倒しにされた。
頬に羊谷自身が触れ、身体がビクリと震えた。
「興奮してんのか?俺のが当たったくらいで・・・」
羊谷は自分を口にあててくる。
「舐めろよ」
「・・・んぅ・・」
目を塞がれているのでどこがどうなっているのか分からない。
でも刺激が欲しい身体は、脳が止める間もなく触れている所から舌を這わせていった。
歯をたてないようにそっと、一度口をつけたら止まらなかった。
羊谷がしてくれたように、真似た。
「くっ・・お前乗り気じゃねーか・・すっげぇヤラシイ・・」
「・・ん・・っふ・・」
腰を高く持ち上げ膝をつき、手も目も塞がれたまま羊谷に奉仕する。
屈辱的な筈なのに、全てが快感へと変わっていく。
羊谷を喉奥まで飲み込んだとき唸るのが聞こえた。
「・・・っ・・もう、もたねぇ」
その瞬間口の中で熱いものが流れた。
突然の事にむせ返って半分は吐き出してしまった。
「・・っは、・・はぁ」
「・・上手いじゃねーか。でもそれは最後まで呑めよ?」
「・・・・・・」
「ま、上出来だったんだ。あとは可愛がってやるさ」
仰向けにされ、腰だけ浮かされる。
自身からの蜜はまだ止まらなかった。
羊谷が欲しい。そう思っている自分が嫌だった。
「・・監督・・」
「んー・・何だ?その、もの欲しそうな口元は」
「・・・っ・・何でも・・な・・」
「目も見せてみろ」
自分で縛ったくせにと思ったが外してくれるなら嬉しい。
布で隠れていた目は潤んでいた。
「お〜・・そそるねぇ。こんなヤツを抱けるっつーのもなかなかナイな」

ソレッテダレデモイイッテコト?
ボクダケヲミテホシイ、ッテオモッテイルノハ・・・。

「何黙ってるんだ・・・もしかして限界か?」
蜜を伝わすそれに手を絡められ、意識が飛びかけた。
「っ・・んゃぁ・・・!!や、あぁ・・・」
「ん?そういえばココは遊んでやってなかったなぁ?」
羊谷の手に握りこまれ、ヤワヤワと弄ばれる。
「・・ぃ・・や・・・も・・痛ぃ・・」
身体の中が痛い。熱さも手伝ってまた痛みが増してくる。
「触らないで・・」
「牛尾、お前矛盾しすぎ。して欲しいんだろ?」
「・・誰も・・そんなこと・・言ってないじゃないですか・・」
羊谷は面白く無さそうにそれから手を離すと覆い被さってきた。

「んなこと言われてもな。お前は俺のもんだろ?」

ホントウニソウオモッテル?
サッキハ『ナカナカナイ』ナンテイッテタクセニ。

そんなことを考えている自分が嫌だ。


「・・・っふ・・、ゃ・・」
深いキスを繰り返される。
口唇どころか喉奥まで犯される。そんな気さえするような。
羊谷からは煙草の味しかしなかった。
最初はそれが苦くて。でも今は・・・。
歯列をなぞられ、舌をも絡められる。
「・・・・っは・・」
「・・っ・・やっぱいいぜ、お前」
「は・・?」
「もうこんな、勃っちまった」
「!!・・さ・・最低・・!」
それでもつい、さっきのキスでそんなになってしまったのかと
ふと想像してしまって身体に刺激が走った。
「な〜に考えてんだ?真面目な顔してるくせにヤラシイっつーの」
「・・・・別にっ・・何でもな・・・やっ・・」
足を持ち上げられ膝裏から支えられている。
その角度だと羊谷からすべて見えてしまう。
「や、や・・ちょっと・・恥ずかし・・ぃ」
「今更だろ、面白れぇこと言うな」
自分から滴る先走りで濡れた入口へ遠慮もなく指を突き入れられた。
夜にも、さっきにも散々弄ばれたおかげで中はまだ緩く、熱い。
「やあぁ・・はっ・・、は・・」
「牛尾、お前俺が欲しいか?そうなら言ってみ」
何度も指の腹で中を擦る。その度に中は収縮を繰り返し、指をより深くのむ。
「・・っや・・、や・・ぁ」
「言わねぇ?」

カントク、ボクダケミテクレマスカ?
ソウジャナイナラボクハコレッキリ、アナタカラニゲル。

・・・言えない。
最初から監督の籠の鳥。
そんなの分かってる。分かってる・・・けど・・

「言えよ」
「・・か・・監督・・の、欲しい・・です・・」
その瞬間、ニヤリと羊谷が笑んだ。
腕を縛られていた紐を解かれ、手も自由にされた。
が、麻痺してうまく動かない。
「クク、やっぱりお前は俺のもんだ」
羊谷は指を抜くと自身をあてがい、一気に腰を進めてきた。
指とは比べ物にならない質量のそれを受け入れるのは辛かった。
「・・ひゃぁ、あっ、・・ぁあっ・・」
生理的に涙が流れた。
羊谷は余裕と言わんばかりの表情でジッと圧迫に耐えている。
「・・牛尾」
耳元で囁かれ、ほぼ同時に舌が耳をなぞった。
「・・ふぁ・・・ゃぁん・・」
口からは勝手に甘い声が漏れる。
少しずつ羊谷は腰を揺らし始めた。
もうそれだけで内壁と絡み、グチュグチュと音が響く。
「やっ・・あ、・・ぁ・・」
「動くぞ」
言うが早いかゆっくりと抜き差しを始め、
乾いた肌もぶつかって軽く音を立て始める。
「んやっ・・あっ・・あ・・ゃ・・」
同じ所ばかり突き上げられて、内壁を擦られる。
「・・なんだ、ココがイイのか?」
知っていてやってる顔で言われて、反抗する気も起こらない。

そのうちに段々と動きが速くなってくる。
「んゃ・・ぁあ・・、か・・監督・・、も・・」
ずいぶん前から勃ちあがっているのを出し入れの度に腹で擦られて、
今にも吐き出しそうなくらいパンパンに張り詰めてまだ先走りだけを零していた。
「イけよ、いいぜ」
それだけ言うと羊谷は一番深くまで突き刺した。
羊谷が奥まで届いた瞬間、白濁の液を吐き出していた。
身体は強く痙攣し、羊谷を締め付ける。
「・・っ・・監督・・ぅ・・」
「う、・・牛尾・・、これだけは上手いよな・・」
羊谷は眉をひそめ、低い唸りと共に自身を注ぎ込んだ。



「・・・なぁ、もう機嫌直せよ」
「嫌です」
羊谷に背を向けたまま即答した。
「でも、良かったろ?」
「良くありません。誰のせいで明日学校に行けないと思っていらっしゃるんですか?」
事実、首から胸にかけて紅い痕が無数にある。
どんな人にも見られてしまえばそれと分かってしまう。
それに腰も痛い。寝返りもままならない程だ。
「もう勝手にこんな事しないで下さい」
「お前に許可取ればいいのかよ」
「僕は監督が好きだとは一言も言ってませんし、思ってもいませんから」
・・思っているだろうか、なんてそれはよく分からない、自分でも。
しかし、監督相手にそれを易々と認めるわけにはいかない。
「・・・はっ、言うな。でもな、そのうち好きだってお前から言ってくるさ」





例えば、こういうのはどうだろう?

ヤサシクダキシメテクレル、ソノウデカラニゲテヤルトカ。

でも逃がされない、逃げれない。


ニゲテイカナイ、ソンナ『ヒ』ガクルノカモシレナイ。


end
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ああ゛ーーーーー!!
何これ!何これ〜!!
つーか、ヤってるだけ!!あわわわ。
何気なく牛視点で書いたつもりだったので、
『牛尾は』とかっていう主語を入れなかったんですが。
監督のこと好きなのか嫌いなのかはっきりしない感じなんです。
監督からは愛がないのに、ってふうな。
でもとりあえず羊牛が書けてよかったのですが
冒頭のような事にまたならないよう、SSとして成立させねばいけません。
ご拝読ありがとうございました。

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